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2017年04月10日

ただ物を着たき

「やっと……って言う感じだけどね。あ、また車椅子でうろうろしてたんだろう。」
「急ぎの書類に、目を通していただけだ。」
「柳川さん。じいちゃんに仕事させちゃ駄目だぞ。無理すると、すぐ熱を出すんだから。」
「申し訳ございません、東呉さま。」
当主が軽く手を上げると、柳川は肯いて部屋を後にした。
「卒業おめでとう、東呉。いずれは、わたしの跡を継ぐことになるだろうが、しばらくは系列会社に配属させる。がんばりなさい。」
「じいちゃんが、安心できるようにがんばるよ。だから、じいちゃんは無理しないで長生きしてね。おれ、なるべく早く仕事できるようになるからさ。」
「頼もしいな。」
「成人の日は、父上と静かに酒を酌み交わしたかったのです。わたしの好きなニホンコクでは、大人になった男子は成人したら、そうするものらしいですから。」
「お前のかぶれている、東洋のちっぽけな島国の話かな?」
「ええ。父上が子供の頃に、わたしにお話して下さったお伽噺のような国の話です。かの国では、成人の夜は父親と息子は互いに自ら酒を汲み、人生について長い間話をするそうですよ。」
「それが望みか?」
「いけませんか?わたしは、昔から父上とゆっくり話などしたこともありません。もし、披露目をする場に父上がお越しなら、その時間を自分だけのものにしたいと思ったのです。そして出来るならば、披露目に掛かる莫大な金は、才能あるこの国の子供たちに与えたい。」
父王はサクルの言に肯いた。
「サクルさま。ここからは、現(うつつ)でのことはすべて忘れています。あなたは、私の古い知り合いの油屋の若旦那。よろしいですね。」
「油屋……?」
そこでは、二十歳そこそこの寡黙な美しい男たちが、花魁、振袖新造と呼ばれ紅い着幼い禿を連れて宴席に侍っていた。
サクルは誘われて、大江戸の大通りで生まれて初めて花魁道中というものを見た。
「サクルさま。あれがこの大江戸で一番の花菱楼の雪華太夫です。」



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